世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


コッツウォルズ ピーテッドカスク    60.2%

  • 蒸溜所名: コッツウォルズ蒸溜所
  • 地域: イングランド
  • ブランド: コッツウォルズ・ディスティリング・カンパニー
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: コアレンジ
  • 掲載号:178号

フィービー・カルバーSCORE8.2

香り
木材を焦がしたような匂いが、かすかにある。だがスモーキーではなく、ただ焼けたような匂いのみ。青いトマトのヘタのように草っぽい香り。粉砂糖とクローブでコーティングした飴玉。
なかなか面白い風味がある。フレッシュなピート風味や甘味を少し感じさせ、それが苔っぽい泥炭地のような味に変化していく。少しセージの味が忍び込み、その後からフレッシュな洋ナシやインペリアルレザー社の石鹸。甘いスパイスと唐辛子の辛味が顕在化している。
フィニッシュ
唐辛子の辛味と土っぽいスモーク香が、いつまでも余韻を引っ張る。
コメント
面白い味わいのウイスキーで、アルコール度数が高いわりに辛味がとても抑制されている。これは予想外の特性で、時間をかけてじっくり味わってみる価値がある。

クリストファー・コーツSCORE7.8

香り
松葉とマンチェゴチーズの匂い。その後から、熟れたパイナップルやピンクグレープフルーツ。刈られた芝生やトマトの茎を思わせ、コブミカンとヒースのような印象も伴っている。バニラポッドの香りもある。
口当たりは軽め。繊細な味わいでスタートするが、やがてヒリヒリするような辛味がどんどん立ち上がって、やがてまた落ち着いていく。レモン、ライム、グレープフルーツのような柑橘っぽい印象。かすかにフレスカのソーダを思い起こさせる。背後では繊細なナッツ風味が続いている。
フィニッシュ
余韻は短い。風味が消え失せると、ライムエードソーダのような後味が残る。
コメント
香味要素の主張が感じられるものの、あまりに繊細なため加水すると壊れてしまうので注意。

コッツウォルズ ピーテッドカスク シングルモルトウイスキー    59.3%

  • 蒸溜所名: コッツウォルズ蒸溜所
  • 地域: イングランド
  • ブランド: コッツウォルド・ディスティリング・カンパニー
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:164号

ロブ・アランソンSCORE8.2

香り
最初はグレーンの香り。ハニーナッツ味のコーンフレーク。かすかなマニキュアの除光液と湿ったウール。タンジェリンオレンジ、オーツ麦のクリーム、メープルシロップなどの甘み。かすかに干し草小屋と農場。艶出し剤で磨いたオーク材。
アルコール度数の高さからは意外なほどの軽やかな口当たり。リンゴと黒糖のような最初は甘味がある。やがてふんだんなオークとココナッツクリームの風味が留まる。ミルクチョコレートとクルミのホイップクリーム。
フィニッシュ
後味は短く、すぐに消え去る。だがクルミのホイップクリームの余韻が少し残っている。唐辛子のような辛味も少しある。
コメント
アルコール度数から予測される強烈さはないが、加水すると繊細なスパイスや甘味といった特徴が引き出されてくる。

リンジー・グレイSCORE8.4

香り
ココナッツフレーク、大麦糖、チョークっぽい赤リンゴの匂いなどが甘美な香りを生み出す。やがてごま油を熱した匂いや、ラズベリーのソルベ。かすかに塩味のポップコーンとウスターソース。
クレームブリュレ。マセレーションを施したラズベリーに海塩をほんの少しだけ散らしたような味わい。甘いスパイス香が立ち上がってくる。焼けたシナモン、ナツメグ、焼きたてのライ麦パン。
フィニッシュ
香り高いスパイスが、あたり一面に弾け飛んでいる、だがすべての後味はピスタチオのアイスクリーム風味に合わせて、かずすかにクレメンタインの中果皮のような余韻も感じさせる。
コメント
モグラ叩きをイメージさせるような味覚。うまく捉えても、次々に未知のフレーバーが現れる。